医療・福祉施設

特別養護老人ホーム 太陽と緑の家 藤原

2019年

千葉県

船橋市北西部の市境に程近い藤原法典地区。
風致地区として農地や山林が保たれてきた地域の中で、土地高低差8mを有する雑木林として、長きにわたり半ば手付かずであった場所が敷地となった。
周囲は農地の減少に伴い住宅地が広がりつつあったが、当該地は高低差も相まって周囲の生活動線を分断する格好となっていた。
そこで、本施設の計画に当たり新たに200m超の道路を新設することで、周辺地域の生活動線を確保することとした。
長方形の敷地に対して可能な限り前面道路から離隔を取って建物の圧迫感を抑えつつ建物地盤を隣地から1段下げ、周辺の街並みに溶け込む配置計画とした。
本施設は、従来型(4人部屋) 40床とユニットケア型(個室) 40床、ショートステイ10床の 計90床からなる広域型特別養護老人ホーム及びデイサービスから成る複合的な社会福祉施設である。
従来型エリアの食堂・機能訓練室は連続グリッド面に配し、開放的な生活環境を整えている。
よりパーソナルなケアが求められるユニットケア型の共同生活室は、内側に設けた光庭(外部吹き抜け) により自然光や風を取り入れている。
L 字型の平面プランに対して、エントランスやEV ホールは建物中心に配置。
従来型エリアとユニットケア型エリアを南北に配置した明快なゾーニングとしている。
正面ファサードは連続グリッドによるガラス面で構成されている。
ガラス面はそれぞれ地域交流スペースや食堂・機能訓練室を配置し、健康的で透明性のある生活環境を形成している。
大きな開口部は外部への眺望を実現し、従来の閉鎖的な福祉施設像からの脱却を図っている。