医療・福祉施設

特別養護老人ホーム 輝煌の郷

2022年

神奈川県

敷地は交差点に面する角地であり、南側と東側が道路に接している。北側と西側には戸建て住宅が立ち並び、道路向かいの東側には中層のマンション、南側には4階建ての企業の社宅が建っている。
北側・西側の住宅街の採光や日影に配慮して、建物をできるだけ交差点側に寄せる計画とした。           周囲の建物も道路境界に接して立ち並んでいるため、建物全体を離れた場所から見られるアングルがなかった。そのため至近距離からの見上げ、寺社仏閣の軒の垂木のように、バルコニー裏の表現に外観デザインの的を絞ることとした。
バルコニーの先端からサッシ上枠に向けて、斜めに張り下ろすように羽目板を目透し張りとしている。見上げた際に最大限にインパクトをもたらすための角度であり、サッシ上の垂れ壁の存在を消して建築としてのグレード感を高めるための納まりであり、また、裏側に給排気口のベンドキャップを隠蔽することも意図している。
オーソドックスな構成の福祉施設であるが、ひとつの外観デザイン操作や少しの空間構成の工夫が、福祉施設の印象向上に寄与することを目指した計画である。